漱石 草枕の現代語訳と英訳

漱石草枕の冒頭「山道を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかく人の世は住みにくい。」は、人口に膾炙されていますが、草枕を、原文で読み通した人は、案外少ないのではないかと思います。

そこで、無謀にも、現代語訳と英訳を、ゆっくりと進めています。

https://think0298.stars.ne.jp/natsume_souseki_kusamakura.html

翻訳で一番困難なのは、時代が変遷して死語となってしまった言葉を、どう処理するかという問題です。今翻訳している箇所でいうと、「友禅の扱帯」とか「白隠和尚の遠良天釜」という言葉を、無理して、現代語や英語に訳しても意味があるかという問題です。

 基本的な立場としては、そういう言葉は、省略して訳し、昔の事が知りたい方は、原文をお読みくださいということになりますが、どこまで訳し、どこから省略すべきについては、試行錯誤せざるを得ないので、全体を訳し終わってから、再検討ししたいと思っています。